【学術論文公開】当社研究員 村上泰平らの研究論文が『Bioinformatics』誌に掲載されました!
このたび、当社研究員の村上泰平(筆頭著者)と、当社科学技術顧問である埼玉大学 大学院理工学研究科の松永康佑准教授(責任著者)らの共同研究成果をまとめた研究論文が、国際学術誌『Bioinformatics』に掲載されましたのでお知らせいたします
■ 掲載論文の概要
- タイトル:Mechanistic Interpretability of Fine-Tuned Protein Language Models for Nanobody Thermostability Prediction
- 掲載誌:Bioinformatics(Oxford University Press)
- 著者: 村上 泰平、橋館 佑典、松永 康佑(埼玉大学 大学院理工学研究科)
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■ 研究の背景と成果
抗体分野において熱安定性は重要なパラメーターであり、VHH抗体においても配列情報から熱安定性を予測し、合理的に設計する技術が求められています。一方、従来のAI(タンパク質言語モデル)による熱安定性予測は内部プロセスが不透明(ブラックボックス化)である点が課題でした。
本研究では、汎用タンパク質言語モデルをVHH抗体の熱安定性データでファインチューニングすることで、既報のモデルを上回る熱安定性予測精度を達成しました。さらに「Sparse Autoencoders(SAE)」という解析技術を組み合わせ、モデル内部の表現を解釈可能な特徴へ分解することで、予測に寄与する特徴とそれが強く応答するアミノ酸残基を同定することに成功しました。
その結果、構造安定化に関わる既知の重要部位だけでなく、これまで報告されていない熱安定化候補残基を提示できました。これらの候補については自由エネルギー摂動(FEP)計算を行い、その構造的・熱力学的な妥当性が支持されることを確認しました。
本手法は、高精度なAI予測と生物物理学的な解釈性を両立させ、実験で検証可能な設計仮説を導き出すものです。これにより効率的なタンパク質改変・抗体工学のための新たな計算プロトコルとなることが期待されます。
当社は今後も、AI技術とバイオテクノロジーを融合させた最先端の研究開発を推進し、高品質な抗体医薬の創出および研究支援に取り組んでまいります。