高品質なVHHリード分子を迅速に取得する統合型ディスカバリープラットフォーム
Introduction
抗体創薬では、リード候補となる抗体を取得するだけでなく、その後の医薬品開発へ円滑に進められる分子を選抜することが重要です。近年はライブラリ技術やディスプレイ技術の進歩により抗体取得の効率は向上していますが、取得後には結合親和性、発現性、熱安定性、凝集性など、さまざまな評価が必要となります。EMEでは、抗体取得から初期評価までを一つのワークフローとして統合したプラットフォーム「The Month」を構築しています。本プラットフォームは、創薬研究の初期段階におけるVHHリード分子の取得と評価を効率化し、研究開発の迅速な意思決定を支援します。
The Month Platformのコンセプト
Figure 1: スクリーニングプラットフォームのコンセプト
The Monthは、ヒト化VHH人工ライブラリ「PharmaLogical® Library」、cDNAディスプレイ技術、およびDevelopability Assessmentを統合したVHHディスカバリープラットフォームです。ライブラリ設計からスクリーニング、候補分子の初期評価までを一貫したワークフローとして構築することで、創薬研究における迅速かつ効率的なリード探索を支援します。
Platform ワークフロー
The Monthでは、以下のワークフローに基づいてVHH取得を進めます。
① Target Assessment
標的分子の性質や目的に応じて、スクリーニング条件を設計します。
② cDNA Display Screening
PharmaLogical® Libraryを用いて大規模ライブラリからVHHを選抜します。
③ Sequence Analysis
取得したVHHについて配列解析およびクローン選抜を行います。
④ Recombinant Expression
候補VHHを組換え発現し、精製を実施します。
⑤ Characterization
取得したVHHについて、SPR/BLIによる結合親和性、発現性、熱安定性(Tm)、凝集性(Tagg)を評価します。
⑥ Lead Selection
取得データを総合的に評価し、創薬研究に適したリード候補を選抜します。
Figure 2: The Monthフロー
The Monthの特徴
The Monthは、創薬研究で求められる「迅速なリード取得」と「開発適性を考慮した候補分子の選抜」を両立するために設計されたVHHディスカバリープラットフォームです。プラットフォームの基盤となるPharmaLogical® Libraryには、ヒト化フレームワークを採用した人工VHHライブラリを用いており、多様な標的に対するリード探索を可能にしています。このライブラリをcDNAディスプレイ技術と組み合わせることで、約10^13~10^14規模のライブラリから効率的なスクリーニングを実施し、多様な候補分子を取得することができます。さらに、取得したVHHについては、配列解析だけでなく、SPR/BLIによる結合親和性評価、熱安定性(Tm)、凝集性(Tagg)、発現性などを総合的に評価し、医薬品候補としての開発適性(Developability)を確認します。これにより、結合性のみを指標とするのではなく、その後の研究開発を見据えたリード候補の選抜を支援します。
The Monthでは、ライブラリ設計からスクリーニング、リード候補の取得、初期特性評価までを一つのプラットフォームとして統合しています。各工程で得られた情報を総合的に評価することで、次の創薬ステージへ円滑に移行できるリード候補の取得を支援します。
Summary
The Monthは、ヒト化VHH人工ライブラリ、cDNAディスプレイ技術、Developability Assessmentを統合したVHHディスカバリープラットフォームです。スクリーニングからリード候補の初期評価までを一貫して実施することで、創薬研究におけるVHH取得の効率化と迅速な研究開発を支援します。
References
- Smith GP. Science. 1985.
- Roberts RW, Szostak JW. PNAS. 1997.
- Muyldermans S. Annu Rev Biochem. 2013.
- EME Technical Notes TN-02, TN-03