2019.10.21

第2回コラム

今回は、バイオ医薬品の市場動向についてお話します。日経バイオ年鑑2019によれば、ワクチン、機器などを含めた2018年の日本のバイオ市場は約3兆6725億円に達し、バイオ医薬品はそのうちの約49.5%(1兆4536億円)を占め、さらにその約62%が抗体医薬品です。

 

世界の動向についてはEvaluate Pharma社によると、バイオ医薬品の成長率は2016年~2022年で8.5%と推定され、通常の医薬品の成長率3.6%のほぼ倍です。その中でも抗体医薬品は12%と引き続き高い成長率を維持します。なお、特に注目すべき点は、核酸医薬品、細胞治療、遺伝子治療といったモダリティの市場がいよいよ台頭してきました。

 

ところで、バイオ医薬品も特許期間の満了に伴っていわゆるジェネリック薬、つまり抗体バイオシミラーの開発が進められています。先行品は可能な限り適応拡大によって製品ライフサイクルの延長を図っています。また、低分子医薬品に置換わる市場もあります。それが劇的に進んだのがC型肝炎ウィルス治療領域です。2015年に直接ウィルス複製を阻害する経口薬が上市するとインターフェロン市場は急速の失われました。また、幾つもの製品によって複雑に構成される市場として慢性関節リウマチ治療の市場があります。作用機序や製剤が異なるいくつものバイオ医薬品が上市され、さらにそれぞれのバイオシミラーの開発が進んでいる。その上直接細胞内シグナル伝達を阻害してバイオ医薬品の生物活性を代替する低分子化合物も上市されている。今後は、様々な治療領域で同様のことが想定されるが、あくまで効果と安全性、そして医療経済性から製品の淘汰が進みます。

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