高速スクリーニングプラットフォーム
- cDNAディスプレイを用いたスクリーニング
- 当社ではcDNAディスプレイ法を用いたスクリーニングを行っております。
cDNAディスプレイ法を用いることで、1013-14の膨大な多様性を持つライブラリからヒット分子の探索が可能となります。これにより標的分子に対して高い結合能を示すVHH抗体やペプチドを数多く獲得することができます。 cDNAディスプレイ(cDNA-タンパク質連結体)ライブラリの合成、提示タンパク質の機能(=標的分子への結合能)に依存した淘汰、濃縮されたcDNAディスプレイ分子のcDNA(遺伝子型分子)の増幅、これらの一連の操作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返すことで標的分子に対するスクリーニングを可能にしております。※cDNAディスプレイスクリーニングサイクル - ヒト化VHH抗体スクリーニングプラットフォーム “The Month”
当社では、PharmaLogical®ライブラリとcDNA ディスプレイ技術を組み合わせた、VHH抗体のハイスループットスクリーニングプラットフォーム“The Month”を展開しております。このプラットフォームにより、標的分子に対する結合性VHHの同定とヒットクローンの特性解析を、約1か月の期間で実施可能です。現在、このプラットフォームを用いて、国内外の製薬企業様、化成メーカー様、検査診断薬メーカー様など数多くの企業様との共同研究開発ならびに委受託研究開発を行っております。免疫法など従来の抗体スクリーニングでは取得が困難とされていた標的分子に対しても、親和性・安定性の高いヒト化VHH抗体の取得に成功しております。
- “The Month” 提供可能成果物
- PharmaLogical®VHHのヒット配列
- 評価検討用VHH抗体サンプル
- 結合親和性評価結果(KD値)
- 熱安定性&凝集特性評価結果(Tm値、Tagg値)
その他、種交差性評価、エピトープグルーピング、免疫原性予測等行うことも可能です。お気軽にお問合せください。- 抗体特性評価 当社では、スクリーニングで取得されたVHH抗体候補について、専門性の高い機器を用いた抗体の特性評価を行い、成果物として提供しております。
- 結合親和性評価(K D 値) Cytiva社のBiacore™ T200、Sartorius社のOctet® RED384システムを用いたVHH抗体の結合親和性評価データの提供を行っております。Biacore™ T200は、表面プラズモン共鳴(SPR)技術により、Octet® RED384はバイオレイヤーインターフェロメトリー(BLI)技術に基づき、抗原と抗体の結合・解離をリアルタイム・ラベルフリーで解析が可能です。結合速度(kon)、解離速度(koff)、親和定数(KD)などを高精度に評価し、抗体の特性を定量的に把握できます。また384プレート対応のため、スループット性高く解析が可能です。
- 熱安定性・凝集特性評価(Tm値、Tagg値) Unchained Labs社のUNcleを用いて、VHH抗体の熱安定性および凝集性評価サービスを提供しております。UNcleは、ナノディファレンシャルスキャニングフルオロメトリー(nanoDSF)と動的光散乱(DLS)を組み合わせた装置で、タンパク質の変性温度(Tm)や凝集開始温度(Tagg)、粒子径などを同時に測定可能です。少量サンプルで多角的な品質評価が可能で、製剤開発や抗体最適化に有用なデータを提供致します。
最適な解析方法を用い、スクリーニング後のVHH抗体の特性を高精度に評価し、候補抗体選定に最適なデータをご提供致します。
- エピトープビニング(BLI法による多クローン間の競合解析) 当社では、Octet® RED384システムによる、VHH抗体のエピトープビニング解析サービスを提供しております。HTSスクリーニングにより取得される多数のVHH抗体候補の中から、エピトープの多様性を視覚的・定量的に把握することで、開発方針の戦略的な意思決定に活用いただけます。
- 同一エピトープ群に属する抗体のクラスター分類(ビン分類)
- 非競合ペアの選定(バイパラトピック抗体やバイスペシフィック抗体の候補選定)
- 構造情報が不明な場合のエピトープ多様性の簡易スクリーニング
- エピトープマッピング(HDX-MS解析) 当社では、VHH抗体と標的抗原との相互作用部位を可視化する水素-重水素交換質量分析(HDX-MS)を用いたエピトープマッピングサービスを提供しております。HDX-MSは、抗体が抗原に結合することで生じる構造変化や保護部位を質量変化として検出する技術で、抗体が認識するエピトープ領域を数残基単位の高解像度でマッピングすることが可能です。
本手法では、抗原を固定化し、事前に抗体Aで飽和させた後に抗体Bを添加することで、異なる抗体間でのエピトープの重なりや非競合性を評価します。これにより、
Waters社の高感度・高分解能質量分析システム Synapt™ XS を採用しており、精密なペプチドマッピングと重水素取り込み量の定量解析が可能です。複数のペプチド断片のオーバーラップ解析により、エピトープ部位の特定精度をさらに高めることができます。
この技術は、類似抗体間での結合部位比較、二重特異性抗体の設計支援、バイオシミラーの同等性評価など、さまざまな研究開発フェーズにおける意思決定に貢献します。また、サンプル調製から測定、データ解析・報告書作成まで、当社の技術スタッフが一貫して対応いたします。