2019.12.03

第3回 CEOはどこに

前出の上場企業の社長さんにはもう一つ大切な助言をいただいた。

経営人材の獲得である。

「もしこれはと思った経営者がいたら60%以上の株を与えてもCEOになってもらいなさい」とその社長さんは言う。

「具体的にはどのような感じの方ですか」と私。

「できればバイオ分野で会社を上場させた経験者が一番いい」

上場させるには恐らく部外者が伺い知れない様々なことがあるのだろう。

ただ、2016年当時ではそもそもバイオ企業で上場させた社長経験者はすぐに数えられる(ぐらい少ない!)。

創業まもない研究開発型企業では自社の(バイオ)技術が理解できるCEOでなくてはならない。(技術の本質、見極めができないといろいろな局面で判断を間違える)

 

さて、どうするか。

大学の研究者(特に教員)で経営者になろうと思って大学教員になる者はまずはいない。

それに研究者は研究の実現を考えても事業に関しては無関心だ。 だから大概の大学発ベンチャーは上場かバイアウトそれ自体が目的になってしまい、上場後の成長戦略までは考えない。どうしても「小粒」になってしまう。

 

とりあえず、会社立ち上げ時の代表はベンチャー立ち上げ経験がある友人のK氏にお願いした。(ただ、K氏は他のベンチャー企業の代表もしており、1年間という約束であった)

問題は1年後。その間にCEO候補と出会う確率は限りなく0に近い予感。

そう考えると大学に奉職するまで2社のベンチャーの起業に立ち会い、事業化の難しさを知っている自分がやるしかない。 ただ、ベンチャー起業の大変さを身に滲みているだけに、やるからには一生を賭けるだけの会社にしたいと強く思った。

どんな会社にしたいか?

 

そんなことを漠然と考えていた頃に、面白い集団(リバネス)と出会った。

リバネスの人たちは研究者の心を持ちつつ、ちょっと違った「ケミストリー」(化学反応)を発散している。

恐らく、リバネスに出会わなかったら、私が経営者になることもなかったのではないかと思う。

リバネスは若い小学生から大学生たちを対象に教育事業を柱とする会社である。

それがよりによって50過ぎのオッサンが教育されて経営者になってしまった。

年齢に関係なく教育すること(または学ぶこと)の意義と重要性を教えてくれる良い見本かもしれない。

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