研究開発

EMEは、VHH抗体、環状ペプチドアプタマー、および新規スキャフォールド分子を活用した新世代のバイオ医薬品、中分子医薬品の研究開発、さらには細胞治療や遺伝子治療への応用に取り組んでいいます。

  • VHH抗体・環状ペプチドアプタマーによる医薬シーズの研究開発
  • ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)への応用
  • 再生医療分野・遺伝子治療分野への応用
  • 高感度検出システム・診断領域への応用
  • 低分子化合物設計のための構造情報の取得
  • 人工酵素の研究開発

Paradigm Shift in Biopharmaceutical development

1980年代よりバイオテクノロジーを応用した遺伝子組換えタンパク質のインスリンやエリスロポエチンなどが医薬品として開発された。その後、1987年に最初のヒト化抗体技術が発表されると、次世代バイオ医薬として抗体創薬が脚光を浴びた。1990年代からのゲノム創薬の進展とともに多くの標的分子に対する抗体の研究開発が進められ、2018年には抗体医薬品はバイオ医薬品市場の62%を占めるまで成長した。今後も抗体医薬は革新的な技術やコンセプトに基づいて次世代抗体の登場も期待される一方で、抗体医薬品の限界も顕在化してきた。

一方、VHHは1993年にベルギーのブリュッセル自由大学のHamers教授によって発見された。創薬に有利な多くの特徴を有しているものの、抗体医薬品が次世代バイオ医薬品として注目を集め始めた時期と重なり、大企業から注目されることはなかった。しかし、ベルギーでVHHの医薬品化を目指すバイオベンチャー企業が立ち上がり、低分子化抗体医品の一つとして研究開発がすすめられた。そして、VHH抗体医薬の第1号として、2018年FDAは後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)を適応に抗von-Willebrand因子に対するVHHを承認した。現在、多くの創薬企業は従来の抗体医薬品からVHHへの転換に取り組んでいる。

VHH抗体とは?

アルパカ(Vicugna pacos)やリャマ(Lama glama)などのラクダ科動物には、2つの重鎖(H鎖) と軽鎖(L鎖)で構成されるIgG抗体(A)のほかに、重鎖のみで構成される抗体(重鎖抗体;HCAb)(B)が存在します。その可変領域がVHH(C)、またはシングルドメイン抗体と呼ばれてい ます。その分子量は12-15 kDaで、IgG抗体(約150 kDa)、Fab 断片(約50 kDa)、一本鎖抗 scFv((約25 kDa)と比較し小さな分子です。

IgG抗体 (A)、重鎖抗体 (B)、VHH (C) の比較

VHHは、従来のIgG抗体と同様に高い抗原特異性と親和性を有します。IgG抗体はVHおよびVLそれぞれの3つの相補性決定領域(CDR)によって抗原結合部位を形成しますが、VHHは3つのCDRのみで(下図黄色部分)で抗原を認識します。特にCDR3は抗原結合に重要な領域で、ペプチドアプタマー様の結合によって、標的分子の隙間、割れ目、くぼみといった従来の抗体では結合できない部位を認識できます。

VHHの立体構造

Competitive Advantage

当社は、cDNAディスプレイ法を活用した表現型ー遺伝子対応ライブラリーを独自に構築し、他社のどのライブラリーより高い安定性と多様性を有しています。そして、フローサイトメトリー(FCM)と次世代シークエンサー(NGS)を組み合わせた高速スクリーニング技術を開発し、スクリーニング効率を最大化しています。

Innovative Drug Discovery