コアテクノロジー

当社独自のコアテクノロジーは、以下の通りです。

cDNAディスプレイテクノロジー(特許出願中)
巨大な配列多様性を有するライブラリ(1013-14

  • シングルドメイン抗体(VHH)
    1. PharmaLogical🄬ライブラリ(人工ヒト化VHHライブラリ)※
    2. アルパカナイーブVHHライブラリ
  • 環状ペプチド: 8 ~ 13アミノ酸のランダムライブラリ

PharmaLogicalは当社の登録商標です。

ハイスループットスクリーニングテクノロジー

  • SDNC: In vitro Selection by Differencing operation using NGS and Cell-Sorter with cDNA display(特許出願中)
  • IT創薬プラットフォーム(三井情報との共同開発)

ナノディスク/リポソーム-ディスプレイ

  • 様々な複数膜貫通タンパク質をナノディスクまたはリポソーム上に構築(GPCR, トランスポーター, チャネル 等)

VHH HTSのためのテクノロジープラットフォーム

VHH-HTSのためのテクノロジープラットフォーム

当社のHTSテクノロジープラットフォームを用いたVHHスクリーニング “The Month” 

現在、当社のHTSテクノロジープラットフォームを用いて、PharmaLogical🄬ライブラリまたはアルパカナイーブVHHライブラリから、標的分子に対する結合性VHHの同定を、約1ヶ月の期間で行います。

  • ・数十種類以上のVHHが取得可能
  • ・VHHのアミノ酸配列情報、親和性、物性データを取得
HTSテクノロジープラットフォームを用いたVHHスクリーニング

EMEの高品質巨大ライブラリ

EME VHH抗体ライブラリ・EME環状ペプチドライブラリ

ライブラリの多様性:1013−14

EME VHHライブラリ

1.PharmaLogical🄬ライブラリ

PharmaLogical🄬ライブラリは、抗体フレームワーク領域(FR)に関して既に臨床応用されているヒトFR配列とVHH の結晶構造解析データの結果得られた構造特性を基にデザインしたヒト化VHH ライブラリです。パラトープを形成する相補鎖決定領域(CDR)には、データベース上に報告されている実際に抗原と結合する400以上の既知のラクダ科動物由来VHHの結晶構造解析データより得られたCDR配列からUpright型、Half-Roll型、Roll型(下図参照)などの構造規則性を見出し、デザインされています。

HEME-VHHライブラリ

PharmaLogical🄬ライブラリの特徴

(1)ライブラリサイズ:1013-14

(2)CDRの構造規則性を再現

(3)抗原性、ヘテロジェナイティを抑制する配列設計


2.アルパカナイーブVHHライブラリ

アルパカナイーブVHHライブラリは、様々な鎖長の相補鎖決定領域(CDRs)を持っています。遺伝子工学的操作により、1013-14のライブラリサイズを有します。



VHH抗体はIgGと同程度の抗原親和性を示す(nMオーダー)

従来抗体(IgG)とVHH抗体の物性比較

  従来抗体(IgG) VHH抗体
分子量 150Kda 14KDa
微生物による生産 困難 容易
変性状態からの再生 不可 容易
熱安定性 低い きわめて高い
タンパク質工学 困難 容易
中和抗体の取得 困難 容易
組織透過性 低い 高い

EME環状ペプチドライブラリ

EME環状ペプチド

EME環状ペプチド

EME環状ペプチドライブラリの特徴

  • 両末端付近にあるシステイン残基間を架橋剤にて環状化
    (構造安定化、分解酵素から守る)
  • ランダムアミノ酸領域の組成に特徴を持たせる
  • ランダムアミノ酸領域の鎖長6残基から30残基まで可能

EME独自の特殊リンカー

光架橋ピューロマイシンリンカー
(cnvKリンカー)の構造

cnvKを用いた新規ピューロマイシンリンカー

cDNAディスプレイ法において、遺伝子型-表現型対応付けのキーテクノロジーであるピューロマイシンリンカーには、当社独自のcnvKリンカーを用います。特定部位でハイブリダイゼーションしたmRNAとcnvKリンカーにUV照射することで光架橋により迅速に連結し、mRNA-cnvKリンカー複合体が形成されます。これにより一連のcDNAディスプレイ分子調製時間の大幅な短縮が可能になりました。

cnvKリンカーを使用することによる利点は以下のとおりです。

  • 酵素的ではなく光架橋によりmRNAとピューロマイシンリンカーを連結 ⇒ 反応時間の短縮(酵素:約1時間→光架橋:数分)
  • 酵素溶液由来の不純物等のコンタミネーションを減少させることができ、cDNAディスプレイ分子の反応効率の向上が期待される
  • 試験管内淘汰実験と候補クローンの結合評価の両方に利用可

ピューロマイシンによる遺伝子化型分子と表現型分子の連結(= 対応付け)様式

mRNA-cnvKリンカー調製後、これを無細胞翻訳系に投入します。リボソームがmRNAの5’末端側からタンパク質またはペプチド合成反応(= 翻訳反応)を開始し、ポリペプチド鎖が合成されていきます。翻訳反応が終盤にさしかかり、リボソームがmRNAの3’末端付近まで進むと、リボソームはcnvKリンカー直前で停滞します。この時近傍に存在しているピューロマイシン(アミノアシル-tRNA類似体)がリボソーム内に取り込まれると、ぺプチド転移反応が起こりそれまでに合成されたポリペプチド鎖のC末端とピューロマイシンリンカーが共有結合により連結されます。結果として形成される複合体は、mRNA-cnvKリンカー-タンパク質/ペプチドとなります。

当社では、独自の特殊リンカー「光架橋ピューロマイシンリンカー(cnvKリンカー)」や、「cDNAディスプレイ自動合成装置」を用い、1013-14の多様性を持ったcDNAディスプレイライブラリを自動調整します。

cDNAディスプレイ法による標的分子親和性VHH/ペプチドアプタマーのスクリーニング模式図

cDNAディスプレイ法を用いた、標的分子に対する特異的親和性VHHまたは環状ペプチドのスクリーニングスキームは上図の通りです。1013-14程度の多様性を持つcDNAディスプレイ(遺伝子型-表現型対応付け分子=cDNAータンパク質連結体)初期ライブラリから、VHHまたは環状ペプチド(表現型分子)の機能(=標的分子の結合能)に依存した淘汰と、濃縮されたcDNAディスプレイ分子のcDNA(遺伝子型分子)の増幅を繰り返すことで、結果的に標的分子に対して高い結合能を示すVHHまたは環状ペプチドを獲得することができます。

cDNAディスプレイテクノロジーの優位性

当社cDNAディスプレイは、巨大な配列多様性と高い安定性を持ったライブラリです。

cDNAディスプレイテクノロジーの優位性

当社では、cDNAディスプレイ・ファージディスプレイ・細胞表層ディスプレイを組み合わせた試験管内スクリーニング試験を展開し、ヒット検体を迅速に取得いたします。

当社ではcDNAディスプレイ分子の調製はすべて試験管内で行います。したがって、細胞表層ディスプレイ、ファージディスプレイでは取り扱いが不可能な細胞毒性を示すタンパク質の提示をすることが可能です。また、扱えるライブラリサイズは1014程度までと膨大な表現型の配列空間の探索が可能です。
cDNAディスプレイに類似した無細胞翻訳系でのウイルス型対応付け技術に、リボソームディスプレイやmRNAディスプレイが挙げられます。どちらもmRNAと、その遺伝情報を基に合成(無細胞翻訳)されたペプチドやタンパク質が、リボソームまたはピューロマイシンを介して連結されたディスプレイ分子です。これらはcDNAディスプレイと比較すると、リボソームディスプレイの場合は形成される複合体の安定性が低く、扱える実験条件(温度等)が限られます。また、mRNAディスプレイの場合では、cDNAディスプレイと同様に共有結合性の複合体(mRNA-ピューロマイシンリンカー-タンパク質/ペプチド)ではありますが、遺伝子型のmRNAはRNaseの影響を受け易くcDNAと比べて不安定な分子であるため、cDNAディスプレイよりも安定性の低い分子となってしまいます。

参考文献:
cDNA displayによる分子デザイン -mRNA display (in vitro virus)からcDNA displayへ-, 根本 直人, 望月 佑樹, 上野 真吾 , 生物物理, 53, 250-253 (2013)

  1. High-throughput screening of biomolecules using cell-free gene expression systems, L.E. Contreras-Llano and C. Tan, Synthetic Biology, 3 (1),ysy012 (2018)
  2. Directed evolution of antibody fragments with monovalent femtomolar antigen-binding affinity, E.T. Boder, K.S. Midelfort, and K.D. Wittrup, PNAS, 97 (29), 10701-10705 (2000)
  3. Filamentous fusion phage: novel expression vectors that display cloned antigens on the virion surface, G.P. Smith, Science, 228 (4075), 1315-1317 (1985)
  4. cDNA display: a novel screening method for functional disulfide-rich peptides by solid-phase synthesis and stabilization of mRNA–protein fusions, J. Yamaguchi, M. Naimuddin, M. Biyani, T. Sasaki, M. Machida, T. Kubo, T. Funatsu, Y. Husimi, N. Nemoto, NAR, 37 (16), e108 (2009)
  5. In vitro selection and evolution of functional proteins by using ribosome display, J. Hanes and A. Plückthun, PNAS, 94, 4937-4942 (1997)
  6. In vitro virus: Bonding of mRNA bearing puromycin at the 3′-terminal end to the C-terminal end of its encoded protein on the ribosome in vitro, N. Nemoto, E. Miyamoto-Sato, Y. Husimi and H. Yanagawa, FEBS Letters, 414, 405-408 (1997)
  7. RNA-peptide fusions for the in vitro selection of peptides and proteins, R.W. Roberts and J.W. Szostak, PNAS, 94 (23), 12297-12302 (1997)

SDNCシステム

当社は、疾患の原因分子を標的分子(=抗原)として、SDNCシステムを用いて標的分子に対する結合性VHH又は環状ペプチドをスクリーニングします。

SDNCシステム

※PCT出願 『高速試験管内スクリーニング法』PCT/JP2017/013076

当社のSDNCシステムとファージディスプレイ(従来法)によるスクリーニングの比較

当社のSDNCシステムとファージディスプレイ(従来法)によるスクリーニングの比較

結合性分子の特性

  ファージディスプレイ cDNAディスプレイ cDNAディスプレイ
+SDNC
親和性 10-6 – 10-9M < 10-9M 10-8 – 10-9M
多様性 低い 低い 高い